2013年06月23日

医療について その2 現在の医療システムの実態と問題点

先日、友人が足を骨折してしまいました。
結構大きな怪我となってしまい、地域では一番大きな病院にかかることになりました。
友人曰く、行くと必ずレントゲン、そしてことあるたびに血液検査とCTスキャンをするそうです。
そして「まだ完全にはついてないようなので、また様子をみましょう、またきて下さい」という診断になるんだそうです。
先日、その友人の足が何かの理由で腫れ上がってしまいました。
痛みがひどかったので病院に行くと「あれ、腫れちゃったのかぁ なんでだろう? とりあえず検査しましょう」ということで、様々な検査をして結局「痛み止めと炎症抑えの抗生物質を飲んで様子をみましょう」とのこと。
そして痛み止めと抗生物質の薬剤を処方されたそうです。

そのときの明細を見せてもらったら、血液検査、エコーによる検査、CT、レントゲン、そしてそれらのデータからの診断で30000円ぐらいかかってます(3割負担なので、払う金額はその3分の1)。

非常に端的に、医療現場の現状が出ているなと感じました。

今の病院では、検査、診断、処置、薬物投与、放射線照射が標準的な治療のレパートリーです。
 様々な検査をし、診断を下します
 そして、処置をして、薬を出す
 癌などの場合には放射線を照射する
これらが点数になる治療行為であり、逆に言えばこれら以外の行為は基本的に点数にならず、従って売上にならない。

今の医療は検査をすること、薬を出すこと、手術をすることによって経営が成り立っています。
逆にいうと、検査をしないと、薬を出さないと、手術をしないと経営が成り立ちません。
これは、現代医療制度が抱えた最大の致命的欠陥だと思います。

最高の医療はなんだと思いますか?
素晴らしい薬を開発すること?
画期的な手術の方法を確立すること?
詳細な検査方法、精度の高い検査器具を発明すること?
病気の症状を消し去ること?

そうではありません。
最高の医療は「病気にならないこと」。
病気になったあとの対処よりも、病気にならないことの方がよほど大事です。
「予防医学」こそが、最も王道な医学であり、また人の健康に寄与し、人の幸福に寄与します。
 どうやったら自分の身体を、病気になることもなく、健康を維持できるのか
 健康に生き生きはつらつと生きていくための養生方法
そういうことを研究するのが、一番効果的だと思いませんか?
そもそも病気にならないのが一番じゃないですか?

今の医療現場違います。
製薬会社は薬を売ることによって経営が成り立ちます。
医療機器メーカーは医療機器が売れることによって経営が成り立ちます。
病院は患者が来ることによって、そして検査と手術と投薬によって経営が成り立ちます。

もちろん、そういう努力も必要です。
今回の友人のように、不意の骨折をするときもあります。
救急医療はもちろん必要です。
その緊急の時のため研究、および治療方法は大切です。

しかし、本来であればその努力と同じか、それ以上に「病人にならないようにする方法を啓蒙する、教育する」のが大切だと思います。
ですので、病院は病人が減れば減るほど利益が上がる、製薬会社は薬の処方が減れば減るほど利益が上がる、こういうシステムもないと、病人は一向に減らない。

例えば市立病院であれば、その市の病人、罹患率が下がれば下がるほど予算が増える、そういう仕組みがなければ本当でないと思います。
もしそういう仕組みがあれば、もっと「病人になる人を減らす」そういう努力が出来ます。
 食事の指導、運動の指導、心の使い方の指導
 自己治癒力の高め方の講義、健康維持のための効果的な方法
 病気になったときの適切な対処法、過ごし方
こういうことを病院で教えていくことが、本当ではありませんか?

今の医療は、
「社会毒」とストレスにあふれた現代社会で、
身体の不調をきたし具合が悪くなった人達が、
「身体の不調は薬で治すもの、病院で治すもの」と思い込まされて、
自分の自己治癒力のことはほとんど知らず、教えられもせず、発揮の仕方も知らず、
放っておいたら悪くなってしまう、手遅れになってしまうという恐怖心から、
医療に対しての盲目的な信頼と依存心によって、
医療現場に何の疑いもなく通院する。

医療現場は、
その人個人の身体の特性や生活習慣等を診ることよりも、
医療機器によって検査をし、そしてそのデータに基づき画一的な診断を下し、
根本治癒には貢献しない対症療法、投薬、手術等の治療行為をし、
薬をはじめとする治療行為に依存をさせ、
病院に定期的に通わせ続けさせることによって、
制度(税金)から金をせしめる。

という構造になっています。
これは、資本主義が「借金によって生じる利子の支払い」に追われていく構造上、避けられない宿命です。
投資という名の借金をしている以上、常に拡大し売上を伸ばし続けなければ、経営が成り立たない。
 医療機器メーカーは、医療機器をもっと売るしかない
 製薬会社は、薬をもっと売るしかない
 病院は、患者がもっと来るしか経営が成り立たない

だから、医学会は予防医学には力を入れません。というか入れられません。
医療に盲目的に依存してもらっていないと、基本的に成り立ちませんので…
マスコミ、教育は「何かあったら病院に行きましょう」と教え込みます。
「放っておいたら、手遅れになります、早期検査によって早期発見、早期治療」と…
社会毒、ストレスは増えるばかり、ますます病人は増えこそすれ減りません。
病気になったら、何の疑いもなく病院に行く、薬を飲む。
そして医療業界の「顧客」になっていく…

今や医療業界は、人類最大のビジネスの一つと化してしまいました。
制度(税金)を財源とする、巨大市場なのです。
そういう構図になっています。

補足
僕は医療現場で働いておられる方々を非難するつもりはありません。
まさに最前線で働かれている現場のほとんどの方々は、出来うる限りの最善をつくされていると思っています。

医師会のお偉方、製薬会社のお偉方、マスコミ、天下りを狙う官僚、そして利権と票の為に動く政治家、こういった極一部の既得権益を守ろうとする人達が作り上げてきた医療システムの問題、制度上の問題を指摘することを目的に書いています。

そして、自分や家族の健康は、自分で維持し守る必要があることを表現したく、書いています。
今不具合のある方には、病院に行くだけが治療法ではないことを知って頂きたいし、それぞれが持っている自己治癒力、生命力を発揮することによって快方に向かって頂きたいと願っています。
私たちは自分と家族の健康を自分で維持し、回復させる力を持って生まれてきている。
そういう力強い生きる力が、私たちの生命には備わっています。


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Posted by 加藤万晴 at 06:42│Comments(0)医療について
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