2013年06月23日

医療について その4 薬物耐性、薬物依存

薬には必ず副作用があることを書きました。
今回は「薬物耐性、依存」の話になります。

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薬を飲む、という行為は「根本原因を治す」ことには繋がりません。
いわゆる「対症療法」であると説明しました。
 痛みが出たら、痛みを感じなくさせる
 熱が出たら、熱が出ないようにさせる
 胃がムカムカしたら、ムカムカしないようにさせる
薬は「症状を消す、緩和させる」ためのものです。
薬によって、確かに感覚的には不快な症状を感じなくなるので、表向きは治ったということになります。
しかし、実際は根本原因が治ったわけではないので、症状は出続けることになります。

前にもあげた例ですが、うるさいステレオに対して「箱をかぶせて、音漏れを防ぐ」という方法。
ステレオのスイッチが切れているわけではなく、音は鳴り続けているわけです。

薬を飲んでも根本が治ったわけではないので、結局はまた症状が出てくることになります。
その症状を押さえ込むために、また薬を飲む必要が出てくる。
「薬で症状を押さえ込み続ける」ということになります。

一生このまま安全に問題なく押さえ続けられればよいのかもしれませんが、しかし実際はそうはなりません。
薬を飲み続けると、身体は変化、順応をしていきます。
 1、薬物に対して耐性が出来てくる
 2、薬物に対して依存が始まる

1、薬物耐性
人間の身体は環境や状況に慣れていきます。
いわゆる「順応」です。
薬を飲み続けていると薬を飲んでいる状態にだんだん慣れてきて、順応してきてしまいます。
薬物に対して耐性が出来てきて、だんだん効かなくなってきます。
酒を飲み続けると、酒に強くなりますね。
それと同じように、薬を飲み続けると薬に強くなってしまう。
薬が効かなくなってくると、症状を押さえ込む力が相対的に弱まるということですので、薬を増やすか強くするしかなくなってきます。
増やしたり強い薬になれば、それだけ身体への負担も当然増えます。
副作用の強さも大きくなり、リスクも増えます。

2、薬物依存
人間の身体は「必要なものは発展させる 不必要なものは萎縮させる」というように出来ています。
例えば、毎日ジョギングをすると身体は筋力を発展させたり、心肺機能を強化したりして対応をしていきます。
ジョギングによって必要性が生じたので発展させる、というわけです。
同様に、使わないものは萎縮していきます。
例えば、ジョギングをやめたとします。
すると筋力も心肺能力も必要なくなるので衰えてきます。
一度鍛えたらずっとその状態、ということはありません。
使わなくなると、身体は不必要だと判断し、その機能を萎縮させます。
このように生命の身体は、ある意味非常に合理的に、かつ省力的なメカニズムになっている。
薬物が入ると、本来であれば身体が行っていた機能を「あ、薬がやってくれるんなら必要ないな」と反応、身体は退化していきます。
「薬を飲んでいる状態」に慣れ切ってくると、身体は薬があることによって健康を保つ、という状態にどんどんなっていく。
ある意味、薬によって支えられた状態、薬に依存した状態になっていきます。
こうなると、薬をやめると身体がバランスを取れなくなっているため、いわゆる「禁断症状」が出てしまうようになります。
禁断症状は逃げ場がありません。がまんして、こらえるしかない。
薬の害を抜くための期間なので、つらさを緩和させるための薬を飲むわけにはいかないからです。
そのため、薬を簡単には手放せなくなってきます。

以上のように、薬物を飲むと「耐性と依存」が発生します。
この大きな問題「耐性と依存」は、とりもなおさず薬を飲むことによって生じる現象です。
当たり前ですが、薬を飲まなければ起こりません。

例えばですが「アトピー性皮膚炎」
こんな記事をご紹介します。
http://www.eurasianfoundation.com/
以下、概略です。
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アトピーの特効薬はステロイド。
劇的に症状を消し去ってくれます。
このメカニズムか簡単にいうと以下の通り。
 アトピーの炎症は、免疫機能が過剰反応を起こして発生する
 →ステロイドで免疫を抑制することで、炎症を抑える

非常に素早く劇的に効く「ステロイド」は重宝しますが、しかし問題点もあります。
長期使用によって、副作用として副腎機能のほか、骨や筋肉に悪影響がでてきます。
また、緑内障・白内障などの病気を引き起こす可能性も高まります。
→ステロイドをやめたい「脱ステ」を出来ればしたいのだが…

長期間ステロイドを使用すると、皮膚がその状態に“慣れて”しまっているので、使用を中止するとステロイドが無い状態を皮膚が「異常」と判断。
結果として、以前よりも酷いアトピーが発症することがあります。
また、ステロイドは合成した副腎皮質ホルモンなので、長期間ステロイド剤を使用することにより体内で副腎皮質ホルモンが作られなくなってしまいます。
脱ステをすると副腎皮質ホルモンが無い状態になるのですから、起きてしまった炎症を抑えることが不可能になってしまっています。
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典型的な薬物耐性、依存の例だと思います。
激烈な症状を劇的に消すために、激烈な薬を使い続けるうちに陥る、大変厄介な現象です。

次の例です。
こちらはメチルフェニデートという薬。
商品名では「リタリン」と言います。
http://www.e-pharma.jp/allHtml/1179/1179009F1035.htm
ADHDや、ナルコレプシー、以前は鬱病にも使われていたそうです。
非常に薬物依存の強い薬です。
これを飲み過ぎてしまった人の動画。
10分弱になります。

壮絶です。ほとんど「麻薬中毒者の離脱の映像」に見えます。
このリタリンを「薬」と呼んで良いものか、はなはだ疑問です。
このリタリン、ADHDにも処方されるとのことですが「ADHDは作られた病気の典型的例」だと「ADHDの父」がコメントしています。
http://gigazine.net/news/20130529-adhd-is-made-by-industry/

「病気、病名を作って、
 病気でもない人を病人に仕立て上げて、
 医療の問題として扱い、
 治療といって合法的に投薬し、
 長く患者として居さしめ
 制度(税金)から金をせしめる。」
という流れがあるのですが、これはまたの機会にまとめます。

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薬に関してまとめますと、
 薬は対症療法、根本治癒には貢献しない
 薬には必ず副作用がある
 薬物に対する耐性が出来る
 薬物に依存した身体、心になる
薬にはこういう特徴があります。

例えば腰が痛くて病院に行ったとします。
すると、最悪こんな流れがありえます。
腰が痛い→痛み止めを飲む→耐性が出来る
→痛みがぶり返す→薬増量→薬の副作用が増加
→副作用を抑えるための処方、多剤処方
→副作用、薬物耐性と依存が強まる
→押さえ込むために、さらなる薬増量
→薬害で全身に及ぶ様々な不調…
こうなると、薬で病気を作っているといえる。
「薬を飲む」という行為は、突き詰めるとこういう流れです。
「病院と製薬会社にとっての良い顧客」になってしまう。

薬を飲む、という行為を別の角度からみると、こんなふうにもいえます。
それは「服薬は病気の予防に対して全く無力である」という視点。
薬は、病気予防には全く効果がありません。
つまり、健康維持には全く貢献しない代物なのです。
こんな研究に毎年毎年、世界中で莫大な人数とお金を使って研究している。
そして「新薬が出来ました」とかなんとか…
病気になる人が減る方法を考えること、教えることの方が、よほど大切だと思いませんか?

薬について。
続きます

補足
全ての薬を否定するわけではありません。
身体にバランスを調える機能が生まれつきない、もしくは後天的に無くなってしまった場合などは、薬は必要だと思います。
また、抗生物質の発明で多くの感染症から命が救われたのも、間違いのない事実。
偉大なことだと思っています。
西洋医学の発達により衛生状態は大幅に改善され、出産時や新生児のときにたくさん死んでしまっていた多くの子供が、死なずに成長できるようにもなりました。
突然の事故や発作等の際の救命救急により多くの命が死なずにすんでいることも、また偉大な働きであり、人類に大きな貢献をしていると思っています。

薬の話でポイントにしたいのは「安易に薬を飲んではいけない」ということ、そして薬を多量に、多種類処方することによって製薬会社の経営が成り立っている、という事実を伝えたくて書いてます。
製薬会社は、莫大な利権を持っていますので、当然マスコミ等への影響力も強い。
スポンサーには逆らえないのが世の常。
従って、薬のマイナス面に焦点を当てたこういう情報は、少なくともマスメディアには滅多に出てきません。


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Posted by 加藤万晴 at 23:43│Comments(1)医療について
この記事へのコメント
私はローマ字で入力していたが、...あなたはritilanはひどいことを言った、あなたは完全に正しいです!私は約3ヶ月のためにそれを取って、私は他の薬物Adderolを追求するたかったという理由だけで、私はこれをしなかった。彼らは同じではありません。私の医者は彼らは言う。アルコール - - 彼はまっすぐに...よく、彼が以前の薬物depencyに注目されていないが、これは主に自己治療だった。私も長い道のりのためのexistanceを否定した - あなたはADHDを持っている場合。私は責任のうち、教師の道のようなものと考えた。だから、私は抵抗性であったが、試行自殺した後、私はそれをやってみるべきだと考え - 私はそれが最初でRitaliと言ったような、しかし。薬は私がジャンキーのように感じる作ったが、それも良い感じませんでした!そうでないがあるようAderololはほとんどです!そしてそれはすべてで中毒性はありません。
長めの電子メールをありがとうございましたと残念....Paul Z Colorado
Posted by KanjiJunki at 2014年09月22日 13:39
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